Sweet Strawberry Day's

アパレル業界の変遷

浮き沈みの中で...

約50年程前まだまだ女性がバリバリと働くことを良しとしない時代、家内制手工業として始まりがこのアパレルの業界が少しずつ変革を遂げていく序章と私は考えています。内職を始めながら家事をこなし少しでも家計を助けるという位置付けだったのではないかと想像できます。

少しずつ世の中が豊かになり、作れば売れる時代になりました。そして、もちろんこのアパレル業界も同様な路線で突き進む事になります。多少のことであれば通る (例えば傷や汚れ、縫製不良など)黙っていても仕事が次から次へと来る 面白いほど売れる時代です。当然売る側、そこからの仕事を受けた側(作る側)もいろいろな意味で”意識が低い”のが実情でした。

しかし、私の記憶では1980年代後半から「あれ~?」という事が起こり始めます。まず私が耳にしたのがメーカーが外国 当時は中国へ製造の部門を移り始めたという事でした。日本で作れば加工賃が500円のところ中国なら1ドル(当時1ドル=100円)で関税も入れて出来るという話でした。当然アパレルメーカーはその分儲けが多くなりたくさん箱物を作っていきました。その話の中でどんどん受注が減り、もし仕事が欲しいのなら中国並みの加工賃で受ければ仕事はあるという事でした。

 中でもメーカーではなく縫製加工業者自身が生き残りをかけ、多額の借金を抱え中国に工場を構え日本からミシンなどの設備を送る業者もたくさんいました。中国で人を集めるためにテレビ広告を打った会社もあると聞きました。その当時は「すごいなぁ」という感想しか私自身ありませんでしたし、うちの会社はそれは無理な事だと思っていました。ただ一部のミシン屋はすごくその時代儲け、それが後のミシン屋激減の理由ではないかと今、個人的には考えています。

  • ・『忍』の一字で耐え忍ぶ

そんなこんなで、2000年代に入り、私たちの業界に明るい光は何もなく中国に出た縫製加工業者は、ほぼ全滅な状態で廃業、倒産を余儀なくされたことは周知の事実です。

 残った縫製加工業者はごく小規模で経営していた業者、あるいは大手アパレルメーカーの専属工場が全てではありませんが大半を占めることになったことも事実です。

 そんなごく小規模の業者の即戦力として目を付けたのが外国人技能実習制度になります。この時も一部のミシン屋ではありますが売り上げの為に組合を作り実習制度で人集めをしたとかしないとか、真相は定かではないですが業界的にはそんな話も耳にしました。

 また外国人技能実習制度も当初の話と現在の状況ではかなりの違いが出てきました。当初は中国がメインでしたが今ではアパレル業界ではベトナムがメインになっています。また期間や賃金など様々な事が変わって来ています。

 いくら外国人の実習生が上手になってもいずれ母国に戻るのだし、100歩譲って日本で習得したことを母国に帰って携わってくれればいいのですが、大半の人は”お金”目的なので全く違う事につくのが当たり前のことのようで、ある意味このアパレル業界の意識の低さを痛感しています。本当に虚しい、やるせない気持ちでいました。

・アパレルメーカーも素人軍団の集まりになってしまったのか?

 最近、私もこの業界の事も少しは分かるようになってきてメーカー(仕事依頼者)側の基礎基本の知識の低さを目の当たりにして一部の熟練の方々やこの業界を熟知している方々から、皆口をそろえて いろいろと知らない人が多すぎる という事を聞きました。電話で説明していると本当に疲れるし授業料が欲しいぐらいだ というのは同感しました。

 量産での指示は、ハンドメイドや手作り感満載の指示をする、この場合どんな道具を使うのか どうしたら綺麗に数をこなせるのか など生産性を考える人がいなくなってしまった気がします。ただただ面倒くさいやり方や、やりにくい指示をしたり、スッキリ上がらない指示をする人が増えてしまったように感じます。また、それに気遣かないのです。

 少なくとも私はメーカーの人にいろいろな道具や仕様のやり方、効率・能率の良いやり方 スッキリ上げる方法などを仕様書やパターン(型紙)を通して教えて頂きました。今はもうそれは望めないのだと実感しています。

 ですから、外注工場に丸投げで工場のやりたいように商品が上がってきても何がダメなのか見抜くことが出来ないのです。ただの、1消費者で若干多く商品を目にしているだけに過ぎない、素人軍団の集まりになってしまったのか?と最近思います。

・ファクトリーブランドでもいいのではないでしょうか?

 そんなやるせない気持ちの中では”良いものづくり”をしよう と言うモチベーションは維持出来ない事に、この数年気付いたのです。

今やネット通販が主流の時代。ネットでも信頼できるお店かどうか1度は買わないとわからない。安いものならまだしも高いものだと損はしたくない。など消費者の信頼を勝ち取るのは容易ではないのはわかっているのです。だからこそ今私たちがこの業界のプロとして本来の 『ものつくり』を伝えて行かなくてはいけないと感じて、ファクトリーブランドとして立ち上げる意味があると思いました。

 『売ること』に関しては経験を積み重ねいくしかないと思っています。常に何かを考え、見せ方、売り方、わかりやすさなど買う方に安心して見て頂ける様未熟ではありますが、少しずつ前進したいと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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